【宇都宮市の個人経営の学習塾】塾長の子育て振り返り記⑥

中学生の時にミュージシャンになるという将来の夢を見つけた娘でしが、だれもが将来の具体的な希望を持って大学などを選んでいるわけではないと思います。

私が受験大学を決めた時は

①自分の得意な科目で受験できる大学

②国立大学2校の受験だから1個はちょっとハードル高く、もう1個は安全なところにしよう

③大学生活は都会で送りたい

そんな感じで決めました。

娘がなりたいというミュージシャンはそれで食べていくことを考えるとかなりかなり厳しい世界です。

中学生が思いつきで言っているのだろうとか、年齢が上がればもっと現実的に物事を見るようになるだろうという気持ちもありましたが、楽器が何もできなくてミュージシャンもないだろうということで、娘の希望を聞いてギターを習わせることにしました。

全くの初心者だし、もらい物のギターがちょうどあるからそれでいいのかな、、、と思ったら、そこそこのギターでないといけないという先生からのお話だったので、「そういうものか」とギターを1本プレゼントしました。

娘はギターを背負って自転車で週に1回ペースで教室に通いましたが、それは成人した今もなお続けているようです。

高校生になった娘は軽音楽部に入りました。

そんなに熱を入れて部活動している様子でもなかったのですが、それでも卒業まで軽音部に籍を置いていました。

娘が高校3年生の時、文化祭のステージで演奏しようと軽音部のメンバー4人で話が持ち上がったそうです。

「卒業前にみんなで記念に出よう！ってなったんだ」と言ってましたが、ある日「1人で出る事にした」と娘は言いました。

「他の3人とはステージへのテンションが自分とは違うんだよね。テンションが違うメンバーと出るくらいなら1人で出た方がいいと思って、、、」

お前すごいやつだなぁ！

私なんかにはない、すごくすごくいいものを持ってる。

自ら人前での1人ステージを望んだ娘の度胸に自分にはないものを感じ、私はそんな娘を誇らしく思いました。

高校の文化祭はコロナのため在校生のみで行われましたので、私は娘のステージは後から映像で見ました。

ギターの弾き語りで2曲です。

1曲目はクリープハイプの『憂、燦々』

2曲目は娘の作詞・作曲のオリジナル曲です。

「文化祭で演奏するのに1曲はオリジナルでいくんだ」とは聞いていましたが、どんな曲になるのかなぁと思っていました。

出来上がった曲は、親の欲目ではなくそれはそれはとても良い曲でした。

「お世辞抜きで率直に感想を言ってくれるだろうから感想を聞きたい」と言って娘は『線香花火』を演奏してくれました。

「クリープハイプのよりずっとずっといいぞ！サビの部分のメロディーと歌詞が耳と心に後々まで残るすごくすごくいい曲だ！」

私は自分の思いを出来るだけ娘に伝えたく一生懸命に大絶賛しました。

もし聞いて「微妙だな、、、」という感想であったなら 「もうちょっとインパクトある曲の方がいいんじゃない？」とか私は正直に言っていたと思います。

だって娘は私を信用して率直な意見を求めてるわけで、そこにおべんちゃらは要らないし娘は望んでいないのですから。

小学生、中学生の時は 「勉強は面倒くさい」と怠け者の娘でしたが、義務教育が過ぎれば勉強について一切関知しない主義の私ですから、高校生の娘とはすこぶる良好な関係でした。

買い物、食事、カラオケ、映画、、、と友達親子であるけれど、信頼して本音で話し合えるそういう関係でもありました。

勉強が絡まなければ小学生、中学生の時からいさかいがゼロの楽しい関係であったと思いますが、成人してから当時の厳しかった私の子育てについて娘は肯定してくれています。

とかく子供に嫌われてしまうかも、、、難しい年頃だから、、、と子供に遠慮した態度になることもあるかもしれません。

でも私は自分が良しと思っていることについては遠慮なく我が子にぶつけていいと思っています。

独立した我が子には出すぎた発言はしません。

相談されれば親身になってアドバイスをするけれども、仕事も付き合う人も自分で考えて好きなようにしたらいい。

もう立派に1人でやっていってる大人なのだから。